シングルマザーがセラピストとして働くときに考えたいお金のこと

「いくら稼げるか」より先に考えたいこと
メンズエステの仕事について書いていると、ときどきシングルマザーの方から相談を受けることがあります。もちろん相談の内容は人それぞれです。でも、その根っこにあるものは案外似ています。
生活費が不安。
子どもの将来が心配。
今の収入だけでは足りない。
もっと自由に働きたい。
そうした現実的な悩みです。
世の中には、「好きなことを仕事にしよう」とか、「夢を追いかけよう」といった言葉があふれています。しかし、生活の現場にいる人にとっては、もっと切実な問題があります。
来月の家賃。
給食費。
習い事の月謝。
急な出費。
哲学者シモーヌ・ヴェイユは、「人間にはまず生活の土台が必要だ」という趣旨のことを書いています。どれほど高尚な理想を語っても、生活が崩れてしまえば心は落ち着きません。
だからシングルマザーが仕事を考えるとき、まず大切なのは「どれくらい稼げるか」ではなく、「生活が安定するか」なのだと思います。
収入が増えることと、不安が消えることは違う
メンズエステの仕事は、一般的なアルバイトやパートと比べると、短時間で収入を得られる可能性があります。
だから求人を見ていると、
月収○万円可能。
高収入。
短時間勤務OK。
といった言葉が並びます。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
しかし、ここで少し立ち止まって考えたいことがあります。
収入が増えることと、不安が消えることは同じではないということです。
実際、収入が増えても不安を抱えている人はたくさんいます。
なぜでしょうか。
理由の一つは、お金の問題の多くが「金額」だけではないからです。
将来への不安。
孤独。
責任の重さ。
そうしたものは、お金だけで解決するわけではありません。
だからこそ、「もっと稼がなきゃ」と自分を追い込むだけでは苦しくなることがあります。

シングルマザーは「時間」も管理しなければならない
お金の話になると、どうしても収入ばかりに目が向きます。
でもシングルマザーにとって、もう一つ大切な資源があります。
時間です。
子どもの送り迎え。
学校行事。
病院。
家事。
一日二十四時間という条件は誰にとっても同じですが、シングルマザーはその時間を一人でやりくりしなければなりません。
だから、「たくさん稼げる仕事」が必ずしも正解とは限らない。
むしろ、
無理なく続けられるか。
生活のリズムを壊さないか。
子どもとの時間を確保できるか。
そうした視点の方が大切なこともあります。
哲学者イヴァン・イリイチは、「豊かさとは、選択できる時間を持つことだ」と語りました。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、お金と同じくらい時間も重要なのです。
「今月」を考える人と「一年後」を考える人
取材をしていると、お金が貯まりやすい人には共通点があるように感じます。
それは、「今月」だけではなく、「一年後」を考えていることです。
たとえば、
今月いくら残すか。
教育費をどうするか。
急な出費に備えるか。
そういう視点を持っています。
逆に、収入が増えても苦しくなりやすい人は、「今月を乗り切ること」に意識が集中しすぎる傾向があります。
もちろん生活が大変な時期はあります。
でも、人間は不思議なもので、目の前だけを見ると不安が大きくなる。
少し先を見ると、気持ちが落ち着くこともあります。
だから、「今月いくら稼ぐか」だけではなく、「一年後にどうなっていたいか」を考える時間も必要なのだと思います。

「ご褒美消費」に気をつける
セラピストに限った話ではありませんが、頑張っている人ほど「ご褒美消費」をしやすくなります。
今日は疲れたから。
頑張ったから。
ストレスがたまったから。
その気持ちはよくわかります。
人間には息抜きが必要です。
ただ、それが習慣になると、お金は思った以上に残りません。哲学者エピクロスは、「本当に必要なものは意外と少ない」と考えました。
現代人は、「欲しいもの」と「必要なもの」の区別が難しくなっています。
だから、ときどき立ち止まって考えてみる。
これは本当に必要なのか。
ただ疲れているだけではないか。
そう問いかけるだけでも、お金との付き合い方は少し変わります。
子どもに必要なのは「完璧な母親」ではない
シングルマザーの話を聞いていると、自分を責めている人が少なくありません。
もっと稼がなきゃ。
もっと頑張らなきゃ。
ちゃんとした母親にならなきゃ。
そう考えてしまう。
でも、人間は機械ではありません。
疲れるし、失敗もする。
哲学者モンテーニュは、「人間であることを引き受けることが大切だ」と語りました。つまり、不完全な自分を認めることです。
子どもにとって必要なのは、完璧な母親ではありません。
無理をしすぎて壊れてしまう母親でもない。
まずは元気でいること。
生活を続けられること。
それも立派な責任の果たし方だと思います。

お金は「安心」を買うための道具
お金について考えるとき、私たちはつい金額ばかり見てしまいます。
でも、本当はお金そのものが目的ではありません。
安心して暮らすため。
子どもを育てるため。
未来の選択肢を増やすため。
そのための道具です。
だから、「いくら稼いだか」だけではなく、「そのお金でどんな生活を守りたいのか」を考える方が大切です。
お金は人生の主人ではなく、生活を支える道具です。
その順番を忘れない方が、心は少し楽になるように思います。
まとめ──生活を守るためのお金との付き合い方
シングルマザーがセラピストとして働くとき、お金の問題は避けて通れません。
でも、大切なのは収入だけではありません。
時間。
健康。
子どもとの関係。
将来への安心。
そうしたものも含めて考える必要があります。
もっと稼がなきゃと焦る日もあるでしょう。将来が不安になる日もあるでしょう。
でも、お金は人生そのものではありません。生活を守るための道具です。
だからこそ、「いくら稼ぐか」だけではなく、「どんな生活を続けたいのか」を考えること。それが結果的に、お金と上手につき合う第一歩になるのではないでしょうか。
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