メンズエステで常連のお客様に「特別扱い」を求められたら。優しさと境界線の話

常連のお客様だから、少しくらいなら
何度も指名してくれるお客様がいる。
毎月のように来てくれる。
会話も増える。
好きな食べ物も、仕事のことも、だんだんわかってくる。
初めて会った頃より、ずっと自然に話せる。
常連のお客様との関係には、そんな安心感があります。
でも、親しくなるにつれて少し困ることが出てくる場合もあります。
「僕は常連なんだから、いいでしょ」
「ほかのお客さんとは違うよね?」
「これくらい特別にしてよ」
最初は冗談だった。
こちらも笑っていた。
でも、少しずつ要求が大きくなる。
そんな時、
「いつも来てくれているしな」
と思ってしまう。
断ったら、もう来てくれないかもしれない。
嫌われるかもしれない。
だから、少しくらいなら。
この「少しくらい」が、境界線を考えるきっかけになります。
人間関係は、親しくなるほど境界線が見えにくくなる
初めてのお客様なら、線を引きやすいものです。
まだ関係ができていないから、
「それはできません」
と言いやすい。
ところが、何度も会っている人には言いにくくなる。
人間関係には、
「ここまで親しくなったのだから」
という感覚が生まれるからです。
友達でもそうでしょう。
一度お願いを聞く。
次も頼まれる。
断りにくくなる。
気づけば、
「前はやってくれたじゃん」
と言われる。
境界線は、一度なくなると、あとから引き直す方が難しくなります。
だから本当は、親しくなった時ほど境界線が必要なのです。

「特別な人」と「何をしてもいい人」は違う
常連のお客様が特別に感じられること自体は、不思議ではありません。
何度も会っている。
自分を選んでくれる。
会話も重なっている。
思い出も増えている。
初めてのお客様とまったく同じ感覚ではないでしょう。
でも、
「特別な人」
であることと、
「特別なルールが適用される人」
であることは違います。
ここを混ぜると関係が難しくなります。
たとえば、
「いつも来てくれてうれしい」
これは気持ちです。
でも、
「だから本来できないこともしてあげなければ」
となると、話が変わります。
感謝は、ルールをなくすことではありません。
相手を大切にすることと、相手の要求をすべて受け入れることも違います。
境界線は「壁」ではない
境界線という言葉には、少し冷たい印象があります。
「ここから入ってこないで」
という壁のように感じる。
でも、私は境界線とは、むしろ人間関係を続けるために必要なものだと思います。
家にも玄関があります。
玄関があるから、
「ここから先は家の中」
とわかる。
だからといって、家が他人を拒絶しているわけではありません。
招きたい人は招く。
でも、誰でも勝手に入っていいわけではない。
人間関係も似ています。
ここまでは大丈夫。
ここからは嫌。
今日はできる。
これはできない。
そういう線があるから、安心して人と近づくことができます。
境界線のない親密さは、最初は心地よくても、やがてどちらかが苦しくなることがあります。

「嫌われたくない」が境界線を曖昧にする
では、なぜ線を引けなくなるのでしょう。
一つは、
「嫌われたくない」
からです。
断ったら機嫌が悪くなるかもしれない。
もう指名してくれないかもしれない。
売上も減るかもしれない。
だから本当は嫌なのに笑って受け入れる。
すると相手は、
「これは大丈夫なんだ」
と思います。
こちらは我慢したつもりでも、相手から見れば許可されたことになる。
そして次は、もう少し先まで来る。
これは相手が悪い場合だけに起こることではありません。
人間は、相手が許してくれる範囲を少しずつ学びながら関係を作っています。
だから、自分の線は自分で示さなければ伝わらないことがあります。
「ノー」は関係を壊す言葉とは限らない
哲学者マルティン・ブーバーは、人と人が互いを一人の人間として向き合う関係を考えました。
相手を大切にするとは、何でも相手の言うとおりにすることではありません。
こちらにも意思がある。
相手にも意思がある。
その二人が関わるから、人間関係になります。
だから、
「それはできません」
という言葉があってもいい。
「そこまではしません」
でもいい。
本当の意味で相手と向き合うなら、自分の意思まで消す必要はありません。
むしろ、何でも「いいですよ」と言う関係は、対等な人間関係から少しずつ離れていくことがあります。

常連だからこそ、長く続く距離を考える
常連のお客様との関係で大切なのは、
「今日、嫌われないこと」
だけではありません。
来月も、その先も、無理なく会えることです。
今日だけ我慢すればいい。
そう思って何度も我慢する。
すると、いつかそのお客様の予約が入っただけで嫌になる。
それでは、せっかく続いていた関係が苦しいものになります。
だから、
「この関係を長く続けるためには、どのくらいの距離が心地よいだろう」
と考えてみる。
近ければ近いほど、よい関係とは限りません。
ちょうどいい距離があります。
まとめ 境界線は、関係を終わらせる線ではない
常連のお客様から特別扱いを求められる。
いつも来てくれている。
ありがたい。
だから断りにくい。
その気持ちは自然だと思います。
でも、感謝と我慢は別です。
相手を大切にすることと、自分の境界線をなくすことも別です。
「いつも来てくれてありがとう」
と言いながら、
「でも、これはできません」
と言っていい。
その二つは矛盾しません。
むしろ、長く続く関係には両方が必要です。
境界線とは、
「あなたが嫌いだから、ここから入らないで」
という線ではありません。
「私はここにいて、あなたはそこにいる。そのまま一緒にいましょう」
という線です。
人と親しくなるとは、境界線をなくすことではありません。
お互いに境界線を持ったまま、それでも近くにいられること。
常連のお客様との関係も、そのくらいがいちばん心地よく、長く続くのではないでしょうか。
こちらもおすすめ。人気コラム
-
【メンズエステ】本指名客が減った原因
今回は「本指名客が減ったとき、どうすればいいのでしょうか」というメンズエステティシャンからのお悩みにお答えしたいと思います。 ■心配しなくていい 結論から言えば、お客さんって、お客さんの都合で、お店に来たり来なくなったりするので、本指名客が減ったからといって、心配しなくてもいいと思います。 心配したからといって、お店に来なくなったお客さんがふたたびお店に来ることはありません。 心配する...
[続きを読む] -
メンズエステサロンのお客さんに「趣味を聞かれたときの」秀逸な答え方4選
お客さんとの会話のなかで「君、趣味はなに?」と聞かれて困ることもあるかと思います。 とくに趣味はないとか、趣味は彼氏とLINEすることとか……そんな答えって、きっと多くのお客さんは望んでいないでしょう。 今回はトークのプロである(?)キャバ嬢のナナミさん(25歳)に、お客さんに趣味を聞かれたときの、うまい答え方についてお聞きしました。 さっそくご紹介しましょう! ■寅さんのDVD鑑賞 ...
[続きを読む] -
“新人のうちは売れない”と思っていませんか?
──実は「最初の3カ月」で伸びる人には共通点があります。 メンズエステの世界には、「新人は指名が伸びない」「最初の半年は経験を積む期間」「人気が出るのはもっと先」という空気があります。しかし実際には、新人のうちからしっかり指名をつかむ人 が一定数います。しかも、特別なテクニックや色気があるわけではなく、ごく自然な“ある共通点”によって伸びていくのです。 あなたがもし「自分は伸びないタイプか...
[続きを読む]
この記事の感想