やさしいお客さんって普段もやさしいのですか?

●質問
やさしいお客さんって、メンエスに来ていない普段の生活においてもやさしいのですか?
●回答
人間の二面性を知るという意味において、なかなかいい質問ですね。
やさしいお客さんは「推し」を推している時はきわめてやさしいですが、普段はわりとそっけなかったりします。
これはメンエスに来るお客さんに限らず、それ以外の男性や、女子にも通じる人間の真実です。

なぜ「推し」にやさしいの?
この真実から即座に立ち上がる疑問として、なぜ推しにはやさしいのかという疑問があります。
「なんかさみしいという気持ちを推しが埋めてくれるからやさしい」というのが答えです。
推しというのは、自分に欠けているもの、すなわち「もしかすればそうであったかもしれないもうひとりの自分」です。
例えば、メンエスのお客さんがあるセラピストさんを推している場合、2つの可能性が考えられます。
母性がほしい!
1つは、そのセラピストさんに母性を求めているケースです。
自分のお母さんはとても冷たくていわば毒親のようだった。しかし、自分が理想とするお母さんは、目の前にいるセラピストさんのように優しくて、いつも笑顔で温かな女性だとなれば、彼はそのセラピストさんを推します。
つまり、自分が理想とするお母さんと、自分との関係が、彼にとって「そうであったかもしれない自分=もうひとりの自分」なのです。
人間というのは、その人単体でどうこうというより、生まれ落ちた時から他者との関係によって成っている生き物ですから、セラピストさんとの関係それ自体が彼にとって「なりたい自分」なのです。

女性として生まれてきたかった男性
もう1つの可能性として考えられるのが、「目の前にいるセラピストさんのような人間としてこの世に生まれてきたかった」と彼が思っているということです。
つまり、彼は、女性として生まれてきたかった。しかし、なぜかわからないけど、神様は自分を男としてこの世に存在させている。しかし自分は目の前にいるセラピストさんのようになりたい。女になりたい。会社で課長になるとか部長になるとか、そういう出世競争に飲み込まれることなく、くだらないエクセルの書類を作ることなく、目の前にいるセラピストさんのように明るく天真爛漫に、大胆な衣装を着て、日中を過ごす人になりたい。そういうふうに生まれてきたかった……。
つまり彼は、「手に入らない<もうひとりの自分>」をセラピストさんに見ているのです。
いずれのケースも、「遠い昔になくしてしまったもうひとりの自分」をセラピストさんに見ているのです。だから彼はやさしいのです。
「千と千尋の神隠し」のカオナシを精神分析するなら
このようなことをとても分かりやすく描いているのが、例えば「千と千尋の神隠し」に登場する「カオナシ」です。
カオナシは途中から凶暴な生き物として描かれていますが、最初は千尋に対してとてもやさしい男として描かれています。千尋がほしいものをなんだってあげます。「これもほしいだろ?あれもほしいだろ?」という感じで、千尋がほしそうなものを先回りして考えて与え続ける役割として描かれています。
そのカオナシ精神分析するなら、彼は千尋に「もしかすればそうであったかもしれない自分」を投影しているのです。
簡単に言えば、カオナシは千尋に「自分」の可能性を発見したことによって、千尋を推す「推し活」をしたわけです。

メンエスのお客さんが隠しているホンネ
ではなぜ、カオナシは推し活をするのか?
なんかさみしいからです。
自分がどのように生きていけばいいかよくわからない、すなわち常になんかさみしいのです。
メンエスのお客さんでいつもやさしい人も同じです。
どんなにイケメンで仕事ができそうに見えても、男という生き物は結局のところ、どう生きていくといいかよくわからない「わからなさ」を常に抱いています。
だから、自分の推しを見つけて、その人にやさしくすることによって、その人に「もうひとりの自分」を投影することによって、なんかさみしいという気持ちを埋め合わせようとします。
それがたまたまメンエスのセラピストさんであれば、彼はメンエスにハマるし、それがキャバ嬢であれば、彼はキャバクラにハマります。
お客さんと結婚?
彼のなんかさみしいという気持ちと、セラピストさんが持っている何らかの気持ちがうまく化学反応すれば、ふたりは結ばれます。まれにメンエスのお客さんと結婚するセラピストさんがいますが、それは化学反応がうまくいったケースです。
他方で、やさしいお客さんに「キモイ」と思っているセラピストさんもいますね。「このお客さん、やさしすぎてキモい」と思う女子……。
私は男なので、キモいと言われたお客さんはかわいそうだなと思います。しかし、他人のなんかさみしいという気持ちを受け入れることに嫌悪感を抱く女子はいつの時代も一定数いますので、「なんかキモイ」という女子の気持ちもなんとなく理解できます。
というわけで、メンエスにおいていつもやさしいお客さんは、推しを推している限りにおいてやさしいのです。
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