メンズエステで稼いだお金がなぜか残らない。「収入が不安定な人」のお金の守り方

「けっこう稼いだはずなのに、お金がない」
メンズエステで働くセラピストを取材していると、お金について少し不思議な話を聞くことがあります。
「先月、けっこう稼いだんです。でも、なぜかお金が残っていなくて」
本人も不思議そうに言います。
昼職だけで働いていた頃より収入は増えた。忙しい日は一日でまとまった収入になることもある。それなのに、銀行口座を見ると、思っていたほどお金がない。
どこに消えたのだろう。
もちろん、使ったからなくなったのです。
でも、問題は「なぜ使ったのか」です。
メンズエステのように月ごとの収入に波がある働き方では、お金との付き合い方が少し難しくなることがあります。
今月はよく稼げた。
来月も同じくらい稼げる気がする。
すると、人は今月の収入を「普通の収入」だと思い始めます。
でも翌月、予約が少ない。出勤できない。体調を崩す。
収入が下がる。
その時になって、「先月のお金を残しておけばよかった」と思う。
これは意志が弱いからでしょうか。
わたしは、そうとも限らないと思います。
人間は、不安定な状況にいる時ほど、少し変わったお金の使い方をするからです。
人は不安な時ほど「今」を慰めたくなる
疲れた日に、少し高いものを買った経験はないでしょうか。
今日は頑張ったから。
最近ストレスがたまっているから。
自分へのご褒美。
そう言って、服を買う。化粧品を買う。少し高い食事をする。
もちろん、ご褒美が悪いわけではありません。
人間には楽しみが必要です。
ただ、「ご褒美」という言葉が毎週出てくるようになると、少し考えた方がいいかもしれません。
なぜなら、人は不安な時ほど現在の自分を慰めたくなるからです。
来月の収入がわからない。
指名が続くかわからない。
この仕事をいつまで続けるかわからない。
未来が不安になる。
すると、「今くらい楽しんでもいいじゃない」と思う。
哲学者エピクロスは、人間の欲望について細かく考えました。彼は快楽を否定した人ではありません。むしろ、どうすれば人間が穏やかに生きられるのかを考えた哲学者です。
その中で、欲しいものと本当に必要なものを区別することの大切さを語っています。
現代の言葉で言えば、「欲しい」と「不安だから買いたい」は少し違うということです。
買い物をする前に、一度だけ考えてみる。
私はこれが欲しいのか。
それとも、今日はただ疲れているのか。
この問いだけで、お金の使い方が少し変わることがあります。

収入が多い月を「普通」にしない
収入が不安定な仕事でお金を残す時、一番気をつけたいのは生活水準です。
人間は、上げた生活水準を下げるのが苦手です。
一度タクシーに慣れると、電車が面倒になる。
少し高い化粧品に慣れると、以前使っていたものに戻りにくい。
外食が増えると、自炊が面倒になる。
収入が多い月に生活を変える。
そして、収入が少ない月にも同じ生活を続ける。
すると、お金が残らなくなります。
大切なのは、「一番稼げた月」を自分の標準にしないことです。
月に40万円稼げたことがあるからといって、毎月40万円の人ではありません。
30万円の月もある。
20万円の月もある。
体調を崩して、もっと少ない月もあるかもしれない。
収入に波があるなら、生活は低い方の波を基準にした方が安心できます。
少し地味な考え方です。
でも、生活を守る知恵は、たいてい地味です。
「余ったら貯金」は、たぶん余らない
お金の話を聞いていると、「余ったら貯金します」という人がいます。
でも、多くの場合、余りません。
人間は、手元にあるお金を使う理由を見つけるのが上手だからです。
欲しかった服。
美容院。
友人との食事。
スマホ。
気づけば月末になります。
だから、お金を残したいなら「余ったら」ではなく、最初に分けた方がいい。
収入が入ったら、一部を別にする。
金額は人それぞれです。
生活費や税金など、必要な支出も違います。
ただ、「これは使わないお金」と先に決める。
お金には名前がありません。
財布に一万円あれば、人間は一万円として見ます。
でも、「来月の生活費」と名前をつけると、少し使いにくくなる。
人間は意味に弱いのです。
ただの紙幣には使えても、「未来の自分のお金」には少し手を出しにくくなる。

お金がない不安は、判断を急がせる
貯金が少ないと、人は焦ります。
もっと出勤しなきゃ。
今日も働かなきゃ。
予約が入らない。
どうしよう。
こうして、お金の不安が仕事の判断に入り込んできます。
本当は疲れているのに出勤する。
休んだ方がいいのに休めない。
一人のお客様が来なくなっただけで、「収入がなくなる」と感じる。
お金の余裕は、単に買い物ができるという話ではありません。
考える時間を買うものでもあります。
たとえば、生活費が数か月分あれば、嫌なことがあった日に「明日すぐ辞めなければ」と思わずに済むかもしれない。
少し休んで考えられる。
哲学者セネカは、貧しさそのものより、貧しさへの恐怖が人間を苦しめることについて考えました。
お金が少ないことも不安です。
でも、「来月どうなるかわからない」という恐怖は、人の判断をさらに苦しくします。
だから貯金とは、未来のためだけのものではありません。
今日の自分を落ち着かせるものでもあるのです。
稼ぐことより「残すこと」の方が難しい
メンズエステで収入を増やす方法については、多くの情報があります。
指名を増やす。
出勤を増やす。
写メ日記を書く。
接客を工夫する。
もちろん、それらは大切でしょう。
でも、生活という視点で考えると、稼ぐことと同じくらい「残すこと」が重要です。
月に50万円稼いで50万円使う人と、月に30万円稼いで5万円残す人。
一年後、安心感があるのはどちらでしょうか。
収入の数字は目立ちます。
「今月○万円稼いだ」
これはわかりやすい。
でも、「今月3万円残した」は地味です。
SNSに書いても、あまり華やかではありません。
しかし、人生を支えるのは、案外その地味な3万円です。
生活は、大きな成功より、小さな余裕によって守られることがあります。

まとめ──お金は未来の自分を助けるために残す
メンズエステで稼いだお金がなぜか残らない。
そんな時、「私は浪費家だ」「意志が弱い」と自分を責める人がいます。
でも、お金の使い方には、その時の心の状態が表れます。
疲れている。
不安がある。
未来が見えない。
だから今の自分を慰めたくなる。
まずは、そのことに気づくだけでもいいと思います。
そして、収入が多い月を普通だと思わない。
余ったら貯金ではなく、先に少し分ける。
生活を急に大きくしない。
特別な節約術ではありません。
むしろ、かなり地味です。
でも、お金を守る方法は、たぶん地味な方が長く続きます。
お金は、たくさん持っていることを人に見せるためのものではありません。
未来の自分が困った時、「大丈夫。少し時間がある」と言ってあげるためのものでもあります。
今日使わなかった一万円は、ただの一万円ではありません。
一か月後の自分が、焦らずに考えるための時間かもしれない。
そう考えると、お金を残すという行為は、我慢とは少し違って見えてきます。
未来の自分への、小さな仕送り。
貯金とは、案外そういうものなのかもしれません。
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