コロナが終息しても収入が元に戻らない気がして不安です

●質問
コロナが終息しても収入が元に戻らない気がして不安です。どうすればいいのでしょうか?

●回答
メンズエステで働いている人のみならず、世界中の多くの人が、コロナ終息後の生活を心配していると思います。
たとえば、オーケストラの楽団員たちは、いま音楽会が中止になっているので仕事がありません。コロナ終息後に音楽会がコロナ前同様に開催されるという保証はまったくありません。さぞや不安だろうと思います。
メンズエステで働いているみなさんも、同様に不安な気持ちでいっぱいでしょう。
ところで、キルケゴールという哲学者は、不安とは、選べなさを受け入れないところから生まれる気持ちだと言っています。
選べなさとは、たとえば、コロナの影響によって下がる収入のことです。
今回のこの危機的状況は、あなたがもたらしたものではないですよね。誰かが(あるいは自然発生的に)生まれたのが、この危機的状況ですよね。
ということは、あなたは、収入が下がり、それがコロナ以前に戻らない(であろう)状況に「投げ入れられた」ということですよね。
あなたに限らず、世界中の多くの人が(ほとんど全員が)、そのような状況に投げ入れられたということです。すなわち、コロナ以前に戻らない(であろう)状況という「選べないもの」が、人生に組み込まれてしまったということです。
選べなさを前に、わたしたちはしばし、茫然と立ち尽くします。収入が下がるであろうという状況の前に、茫然とするしかないですよね?
別のたとえを言うなら、親というものは、誰にとっても選べませんね。親のことを好きになれない人というのは、親との関係がもつ選べなさを認め、受け入れることのできない人です。「こんな親のもとに生まれてきたわたし……どうにかしなきゃ」と強く思う人です。
もちろん、親のことがイヤであればあるほど、どうにかしたいと強く願うはずです。でも、親は「選べないもの」だから、イヤだろうとなんだろうと「わたしはこの親の子だ」という事実を飲むしかないのです。
どうやって飲むのか?
キルケゴールは「今」という時に気持ちを集中させなさいと言います。過去のこと(親とのあれやこれやのイヤな思い出)とは「まったく独立に」今という時があるのだから、「今」という時だけに気持ちを寄り添わせなさいと言います。

自分が置かれている状況を選べないとき、わたしたちは自分自身のことを不安に思います。それは当然のことです。あなただけでなく、誰もが不安です。
だから「今」できることをやるのです。
「今」できることに献身的に取り組みつつ、「今」という時に寄り添うのです。やがて「こんな状況になったのは自分のせいでもないし、誰のせいでもない」と「すべてを受け入れることができるまで」寄り添うのです。
こんな状況や、こんなことになった自分を受け入れるなんて、誰にとってもイヤな作業でしょう。でも、時間がかかってもいいから、それをやらないと、人は次に進めないのです。
選べなさを受け入れる訓練――これがいま、世界中の人に課されている試練です。これを乗り越える必要がなぜあるのかと言うと、それは端的に、自分自身の幸せのためです。
自分があるていど幸せじゃないと、人は他者のことを幸せにすることができないからです。
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