5時間延長する男性ってセラピストに何を求めてるんですか?

●質問
わたしのお客さんで5時間延長する人がいます。施術をしてほしいわけではなく、施術部屋でわたしが食べたいものをデリバリーし、一緒にスマホで映画を見るみたいなすごし方を希望されるお客さんです。そういうお客さんって、セラピストであるわたしに何を求めているのでしょうか?
●回答
実際にそのようなお客さんを接客したことのあるセラピストさんにお話を聞いたことがあります。そのセラピストさんはおじいちゃんに5時間延長を求められ、その申し出に応じ、5時間ずっと狭い施術部屋で一緒に過ごしたそうです。

ウーバーイーツ・映画・雑談
ウーバーでピザを頼んだり、映画を観たりしたと言います。そのおじいちゃんは、そのセラピストさんに娘のようだと言っていたそうです。エロいことをなに1つせず、ただ一緒にいるだけで満足してお帰りになったといいます。
このおじいちゃんは、もしかすれば、ずいぶん昔に娘さんを亡くされたのかもしれません。あるいは、女の子のお孫さんがいるけれども、何らかの事情で会うことができないのかもしれません。
代替行為
私たちのふだんのくらしは、実は代替行為で成っているという精神分析哲学の考え方があります。
例えば、娘さんを亡くして、もう娘さんにこの世で何もしてあげることができなくなってしまったおじいちゃんは、娘さんの代わりとなる人を見つけて、その人に娘さんにしてあげたかったことをするということです。そのように考えた場合、5時間延長するおじいちゃんの気持ちは、私には痛いほど理解できますが、あなたはどう思いますか?

「メンズエステは男性が深い癒しを求める場所だ」とはどういうことか?
話を一般化させると、男は「お母さんの代わりとして」女性を求めるのだ、という見立ても精神分析哲学の世界にはあります。
例えば、お母さんが温かなおっぱいをくれていたごく幼少期の頃には、誰も戻ることができません。「あの頃の思い出よ再び」と思ったところで、誰もあの頃に戻ることはできないのです。
というわけで、男たちは「あの頃の思い出」を埋め合わせる行為に出ます。
そう!自分を癒してくれる女性に出会う旅に出るのです。
つまりメンズエステに通うのです。
「メンズエステは男性が深い癒しを求める場所だ」と言われているのは、そういったことが理由なのです。
なんかさみしい男性は・・・
このことをさらに一般化して言うなら、常に「なんかさみしい」と思っている男性がメンズエステに通うということができます。
あの頃の母親との温かな行為をもう二度と味わうことができない。それが「なんかさみしい」のです。
とはいうものの、あるていど精神が健全な男性は割り切っていますから、メンズエステいらずでどうにか暮らしていきます。つまり、あの頃の思い出はもう二度と手に入らないものだと割り切り、なんらかそれに近い代替物と一緒に、それなりに幸せに暮らす男もいます。それは例えば結婚であったりします。

光源氏とカオナシ
しかし、「あの頃の思い出よ、再び」という気持ちが消えない人は全く消えません。それは、例えば「源氏物語」の光源氏くんのようなものです。10歳にもならないうちにお母さんを亡くしてしまえば、お母さんに似た女子をとっかえひっかえし、どの女子にも満たされることがないという、強烈なマザコンになってしまいます。要するに光源氏くんは、「なんかさみしい男」の代表格なわけです。
そういう男性の現代版が「千と千尋」の「カオナシ」です。
カオナシはなんかさみしい男です。だから、千尋がほしそうなものをなんだって与えます。
それと同類のことが、メンズエステにおける「5時間指名延長する男性」です。
つまり彼は、なんかさみしいと思っており、自分のお気に入りのセラピストさんがほしいものをなんだって差し上げたいと思っているのです。
彼は他者の気持ちがわかるので無理は言いません。「店外デートをしたい」「付き合ってほしい」なんて言いません。ただ、そのセラピストさんがほしいものを提供するのみです。常識のある男が思いつくセラピストさんが最も欲しいものは何かといえばお金です。お金を財布から抜き出して「はい、どうぞ」というのが失礼な行為だと彼は知っています。だから、自分の時間が許す限り、またセラピストさんの負担にならない時間の範囲で、指名延長をします。
これが「5時間延長男」の本音です。
いいとか悪いとかの話ではない
念のため言っておきますが、なんかさみしいという気持ちがいいとか悪いということでは決してありません。
私たちは何らか満たされない気持ちを抱えつつ、そしてその気持ちが何なのか自分でもよく分からないままに、その気持ちに振り回されつつ生きていくしかない――そういった存在なのです。
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