●質問
お客さんって、密着してるとき何を考えてるのですか？　私は特に何も考えることなく無心で仕事として密着してますけど。

●回答
例えば、うつぶせになっているお客さんの上にセラピストさんが乗ると、お客さんのお尻から太ももらへんと、セラピストさんのお尻がガチで密着しますよね。そういうとき、男性客は何を考えているのでしょうか？　男である私が解説したいと思います。

やわらかい・・・・
「やわらかいな」と感じる男性客がいます。当たり前といえば当たり前です。女性のお尻は子宮やらお腹の中の赤ちゃんやらを守るために、柔らかく作られているそうですので、男性のそれと比べて柔らかいでしょう。
しかし、ほとんどの男性は満員電車で女性のお尻と自分の尻が密着でもしない限り、女性のお尻の柔らかさを知りません。なので、「やりたい」という感想よりか「やわらかいな」という感想の方が先立つのだと思います。

女体の神秘を感じている
上に書いたことをより広い視点で捉えるなら、男性は女性と密着状態にあるとき、女体の神秘を感じていると言えます。姉や妹のいる男性であれば、女体の神秘というのはあまり感じないかもしれません。子どもの頃は姉や妹と一緒にお風呂に入り、小学校六年にもなれば「見るな！触るな！」「お前はキモイ」などと言われ続けてきたわけですから、神秘どころか、ある種の狂気（？　凶器？）みたいなものとして女体をとらえていると思われます。
それはとても健全な考え方ではないかと私は思います。
他方、姉や妹のいない男性にとって女体とは、神秘そのものです。「なぜこんなに柔らかいのだろう？」「なぜこんなに美しい曲線美なのだろう」といったことを考えてしまうのです。
そういった男性はメンズエステにおいて、セラピストさんと密着状態にあるとき、「この柔らかくて温かいお尻はどのように出来ているのだろう」などと科学を超えた神秘を感じるのです。

あの見た目でこういう感触なのか・・・・
セラピストさんと密着状態にある前の時、例えばセラピストさんがお客さんのためにお茶を運んできた時などに、男性客はじつはセラピストさんのお尻をチラ見しています。そのとき記憶したお尻と、実際に密着した時のお尻の感覚を照合させて「あれくらいに見えるお尻は、これくらいの柔らかさを有しているのか」などと、少々分析的に考えてしまうのです。
こういうのも、おそらくは姉や妹のいる男性は考えないでしょう。女性のお尻はただのお尻であり、「それが何？」という感想しか抱かないと思われます。
他方、男兄弟の中で育ってきた人や、男子校育ちの人はとかく、女性を女神のように思っていますから、自分が見た女神のケツと、実際に触れている女神のケツを、頭の中で重ね合わせて、「実際に見たもの」と「実際に感じているもの」の「差分」を考えているのです。言ってること、わかりますか？

一度お願いしてみたい
まあ、これは定番といえば定番でしょうね。美しいものの一部に触れた男性は「機会があれば一度お願いしたい」と思うものです。そこに悪気はないと思われます。
女性のお尻というか、お尻に限らず女性の体というものは、男性が持っていない曲線と柔らかさに満ち満ちています。それを「どうにかして味わわせていただきたい」と、男性はつい思ってしまうのです。
フロイトに言わせるなら、「幼少期にお母さんと分離せざるを得なかったゆえ、『幼児体験』が未完成だから、その未完成なものを母親以外の女性の丸みやぬくもりをとおして補完しているのだ」と言うのかもしれません。
あるいは、メルロー＝ポンティが言うように、体というものは何らかのメッセージを絶えず発信しているので、セラピストさんの体が発信する何らかのメッセージと、男性客の体が発信する何らかのメッセージが、空中で融合した結果、「やりたい」と思うのかもしれません。体というものは、意思とはまったく独立に、何らかの「意思のようなもの」を持っているというのが、メルロー＝ポンティの主張なのです。つまり「やりたい」と男性が思ってしまうのは「そういうことしか考えていない最低な男」だからではなく、「馬鹿チン」すなわち意思とはまったく無関係に「身体が発してしまう」メッセージなのです。

エロというより神秘
いかがでしたでしょうか？
総じて、エロというよりか、神秘的なことを感じている見方が多かった、という印象ではないでしょうか？
そもそも、とにかくやりたい、触りたい、と思っている男性は、健全メンズエステには来ません。風俗エステに行きます。健全メンズエステに来るお客さんというのは、女性の体を「モノ」としてではなく、「神様が作った被造物」と思っています。だから密着状態で悶々とし、欲求不満状態に陥っても、次回もまた笑顔で来店するのです。
女神の皆さん、合法的に密着して、ひとりでも多くの男性客を癒してあげてください。