会話が続かない時は「教えてもらおう」~会話のイロハ~

●質問
お客さんとの会話がほとんど続きません。ほとんど誰もしゃべらない空間で60分も90分も施術するのが苦痛です。どうすれば会話が続きますか?
●回答
会話というものは不思議なもので、むかしの言葉でいう「ヤンキー」は、ずかずかと相手の心の中に入ってきますから、どのような会話でも続きます。先日はヤンキーに「ペイペイ使ってる?」と聞かれました。「えっ? なんで?」と聞き返すと、「送金してほしいから」と言いました。わけがわかりません。
しかし、多くの女性は相手の心にずかずかと土足で入っていくような無作法な真似はしないでしょう。繊細さんであればあるほど、「これ、しゃべってもいいのかな?」「こんなこと言ったら気を悪くしないかな」などと先回りして考えて、あげく、なにもしゃべれなくなってしまったりするでしょう。
さて、そういった時にどうすればいいのかについて、以下にお話しましょう。

会話の基本は「教えてもらう」です
カウンセラーなど心理系の職業の方のお話によると、最近の日本では、会話というものがほとんどなされていないと言います。どういうことでしょうか。
私たちは言葉を使って、相手を説得したり、一方的に自分の気持ちを相手に伝えたり、ということはしていますが、会話というものがないということです。つまり、「上から下へ」の言葉のやりとりとか、「下から上へ」の言葉のやりとりはあっても、同列、すなわち「横並び」で言葉をやりとりすることがないということです。
例えば、友達との会話というのは、横並びの言葉のやりとりです。特にこれとこれといった用もなく会い、特にこれとこれといった目的もなくカフェに入り、特にこれといった用もなくおしゃべりをする。そういった言葉のやりとりは、横並びの言葉のやりとりです。
私たちはそういった横並びの言葉のやりとりによってのみ、癒されます。それ以外の会話、すなわち何らかの目的を持った会話というのは、ほとんど癒されません。「説教くさいな」と感じたり、「なんでこんなことが分からないんだろう?この人は」と思ったりするだけです。
というわけで、お客さんとの会話は、横並びの言葉のやりとりであれば、おのずと続きます。
なんの用もなく友達とカフェに入って2時間も3時間もしゃべるのと同じようにやればいいのです。
男性の心の構造とは?
しかし、どうやってやればいいのでしょうか? お客さんは友達ではないですし。
まずは、お客さんに何かを教わりましょう。例えば、お客さんがIT系の会社にお勤めなのであれば、どんな仕事をしているのかとか、何が一番大変なのかとか、パソコンの使い方を教わるとか。何でもいいので、お客さんに教わるのです。
注意したいのは、教わるというのと、根掘り葉掘り相手のことを聞くというのが、比較的似ている行為だという点です。こういうのは聞き方によるので、何が正解というのはありませんが、聞き方が下手な人は、何気なく相手に水を向ける聞き方をしても、相手に「おれのことに根掘り葉掘り聞きやがって」と思われてしまうので、その点は注意が必要でしょう。
教わる内容は何でもかまいません。お客さんがゲームにハマっているのであれば、ゲームのことを聞けばいいのです。あなたがゲームに関する予備知識をなにひとつ持っていないとしても、ちゃんと教わるのです。「プロ」には失礼な「素人の質問」かもしれないと思っても、ちゃんと教わるのです。
特に男性は、女性にものを教えるのがとても好きですし、教える立場に立つことによって、妙な優越感を抱いて、そのことがなぜか男性の心を癒やすという不思議な心の構造をしていますから、セラピストさんとして男性客にいろんなことを教わればいいです。

会話が苦手な人へ
最後に、会話が苦手な人へ。
会話が苦手な人の特徴は、「こういうことを言ったら相手に嫌われてしまうのではないか」「相手の気分を損ねてしまうのではないか」とつねに考える点にあると私は思います。
そこを克服しさえすれば、ふつうに会話ができます。しかしどうやって克服するのでしょうか?
方法は1つです。自分が思っていることを正直に口にすることです。「こんなことを聞いたら嫌われてしまうかもしれませんが」と前置きをした上で、聞きたいことを聞くのです。
つまり、あなたが心配していることや葛藤していることもすべて、言葉にして、相手に伝えるということです。
会話がうまい人は、それができています。例えば、人前に出る直前に緊張している人がいるとします。緊張していることを隠そう、隠そうとすればするほど、さらに緊張し、挙句、失敗します。
他方、会話がうまい人というか、コミュニケーション能力の高い人というのは、緊張している時に「わたし緊張してるわ。どうしようどうしよう」と舞台袖でスタッフに言います。そして、さらにうまい人は、緊張していることを「ネタ」に大騒ぎします。大騒ぎしているうちに緊張がゆるみ、舞台で成功する、と――。
こういった豆知識もうまく活用していただければと思います。
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