お客さんに嫌われるのが怖くて「嫌です」と言えません
- 質問
メンズエステでセラピストをしています。私は昔から人に嫌われるのが苦手で、お客さんから少し嫌なことを言われたり、無理なお願いをされたりしても、なかなか強く断ることができません。
本当は嫌なのに笑ってごまかしたり、「それはちょっと……」と曖昧に言ったりしてしまいます。連絡先を聞かれたり、プライベートで会おうと言われたりしたときも、はっきり断ったら次から指名してもらえない気がして、つい相手に合わせてしまいます。
もちろん、お店のルールを超えるような要求には応じたくありません。でも、お客さんを怒らせたり嫌われたりするのも怖いです。
メンズエステの接客では、どこまでお客さんに合わせればいいのでしょうか。「嫌です」と言えるようになるには、どうすればいいですか?
- 回答

1.接客業だから「嫌われたくない」と思うのは当然です
これは、かなり難しい問題だと思います。
なぜなら、メンズエステのセラピストにとって、お客さんから好かれることは実際に収入と関係しているからです。
普通の人間関係なら、「この人とは合わないから距離を置こう」で済むことがあります。
でも接客業ではそう簡単ではありません。
お客さんに気に入ってもらえれば、次も指名してくれるかもしれない。リピーターになってくれれば、収入も安定する。
だから「嫌われたくない」と思うのは当然です。
それを単純に「もっと自分を持ちましょう」と言っても、あまり意味がないでしょう。
生活がかかっているのですから。
ただ、それでも私は、「好かれること」と「何でも受け入れること」は分けたほうがいいと思います。
2.優しいことと、断れないことは違います
優しい人ほど、断ることを苦手にします。
「断ったらかわいそう」
「せっかく来てくれたのに」
「空気を悪くしたくない」
そう思って、少しくらいなら我慢しようとする。
でも、優しいことと、断れないことは違います。
優しさとは、本来自分で選んでするものです。
「今日は少し長く話を聞いてあげよう」と自分で選ぶ。
それは優しさです。
でも、本当は嫌なのに、「断ったら嫌われるから仕方ない」と受け入れる。
これは優しさというより、我慢です。
外から見れば同じように見えるかもしれません。
でも、自分の中ではまったく違います。
その違いをまず自分が知っておくことが大切だと思います。

3.「嫌です」と思った時点で、すでにひとつの答えは出ています
人間は面白いもので、頭ではいろいろ考えます。
「これくらい普通なのかな」
「私が神経質なのかな」
「他のセラピストさんなら気にしないのかな」
そうやって、自分の感覚を疑います。
でも身体のほうは、もっと早く答えを出していることがあります。
嫌なことを言われた瞬間、身体が少し固くなる。
妙に胸がざわつく。
早くこの時間が終わってほしいと思う。
それは、あなたの身体が「これは嫌です」と言っているのかもしれません。
もちろん、何でも感情のままに拒否すればいいという意味ではありません。
接客ですから、多少の我慢はどんな仕事にもあります。
ただ、「私は嫌だと感じている」という事実まで否定しなくていい。
まずそこを認める。
断るかどうかを考えるのは、そのあとでいいのです。
4.境界線とは、相手を拒絶するための線ではありません
人間関係には「ここまでは大丈夫。でも、ここから先は嫌」という境界があります。
これはメンズエステに限りません。
友達にもあります。
恋人にもあります。
家族にすらあります。
でも、人に嫌われるのが怖い人は、この境界線を引くことを「相手を拒絶すること」だと思ってしまいます。
そうではありません。
境界線とは、関係を続けるための線です。
たとえば、
「これはできないけど、ここまでは大丈夫」
と言う。
それは「あなたが嫌いです」という意味ではありません。
「私はあなたと、この距離なら関係を続けられます」という意思表示です。
むしろ、境界線のない人間関係のほうが長続きしません。
どちらかが我慢し続けることになるからです。

5.断るときは、相手を説得しなくてもいい
「嫌です」と言えない人には、もうひとつ特徴があります。
相手に納得してもらおうとするのです。
「こういう理由があって……」
「お店から言われていて……」
「私も本当はいいんだけど……」
と、長く説明する。
もちろん丁寧に説明したほうがいい場面もあります。
でも、断るという行為に、必ずしも相手の納得は必要ありません。
「それはできません」
「ごめんなさい、それはお店のルールでNGなんです」
「プライベートでは会っていないんです」
それでいいこともあります。
相手が少し不満そうでも、それは相手の感情です。
あなたがすべて引き受ける必要はありません。
ここは接客を続けるうえで、けっこう大切なことだと思います。
6.嫌われない人になろうとすると、自分がいなくなる
誰からも嫌われないように生きようとすると、少しずつ自分が消えていきます。
この人にはこう言おう。
あの人にはこう振る舞おう。
このお客さんにはこれくらい許そう。
そうやって全員に合わせていると、最後に「私は本当は何が嫌だったんだろう」ということまでわからなくなる。
これは怖いことです。
メンズエステは、お客さんとの距離が近い仕事です。
だからこそ、「私はここまで」という感覚を持っておいたほうがいい。
その線は人によって違っていいのです。
他のセラピストさんが平気だから、自分も平気である必要はありません。
逆も同じです。
自分の境界線を、自分で決めていい。

7.ひとりのお客さんを失うことと、自分を失うこと
もちろん、断ったことで来なくなるお客さんもいるでしょう。
これは現実としてあると思います。
「それなら他の店に行く」と言われることもあるかもしれない。
でも、そのとき少し考えてみてください。
あなたが嫌なことを受け入れ続けなければ成立しない関係は、本当に大切なリピーターなのでしょうか。
一度受け入れると、次はもう少し要求される。
それも受け入れると、さらに境界線を越えてくる。
人間関係には、そういうことがあります。
ひとりのお客さんを失わないために、自分の嫌だという感覚を少しずつ失っていく。
私は、そのほうが高くつくと思います。
お金の話だけではありません。
自分が自分でいられなくなるからです。
8.「嫌です」と言えることも、接客力のひとつです
人気セラピストというと、何でも笑顔で受け入れてくれる女性を想像するかもしれません。
でも、長く働いている人ほど、案外きちんと線を引いているものです。
これはOK。
これはダメ。
今日はここまで。
その線が自分の中ではっきりしている。
だから、必要以上にお客さんに振り回されません。
そして不思議なことに、そういう人のほうがお客さんから大切に扱われることがあります。
人間は、自分を大切にしている人を見ると、「この人は雑に扱ってはいけない人なんだ」と感じるからかもしれません。
だから、「嫌です」と言うことを接客の失敗だと思わなくていい。
上手に断ることも、立派な接客力です。

9.あなたを大切にするお客さんまで離れていくわけではありません
人に嫌われるのは怖いものです。
まして、その人が自分の収入を支えてくれているお客さんなら、なおさらでしょう。
でも、あなたが一度「それは嫌です」と言っただけで離れていく人と、あなたが嫌がっていることを知って「じゃあやめておこう」と思う人は違います。
後者の人こそ、大切にしたいお客さんなのではないでしょうか。
すべてのお客さんをリピーターにする必要はありません。
あなたと相性のいい人が残ってくれればいい。
接客とは、相手に全部合わせることではありません。
お客さんと自分の間に、二人とも無理をしなくていい距離をつくることです。
だから、嫌なことをされたときには、少し勇気を出して言ってみてください。
「それはちょっと嫌かな」
最初はそのくらいでもいいと思います。
誰かに嫌われないために、自分から嫌われるような生き方をしなくていい。
あなたが守ろうとしているその境界線は、わがままなのではありません。
あなたがあなたのままで人と関わり続けるために、必要な線なのです。
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