メンズエステで当日キャンセルされると落ち込む。「楽しみにしていた予定」が消えた日に考えたいこと

「キャンセルになりました」のひと言で気持ちが落ちる
今日は予約が入っている。
何時から何時まで、このお客様。
そのあと少し休憩して、次のお客様。
そんなふうに一日の予定を考えながら出勤する。
ところが突然、お店から連絡が来る。
「○時のお客様、キャンセルになりました」
仕方がない。
体調が悪くなったのかもしれない。
仕事が入ったのかもしれない。
急な予定ができたのかもしれない。
頭ではわかっています。
それでも、がっかりする。
とくに当日キャンセルなら、
「だったら今日、出勤しなくてもよかったかも」
「この時間、ほかのことができたのに」
「この予約があると思っていたから予定を空けていたのに」
そんな気持ちになることもあるでしょう。
そして、少し嫌な考えまで出てくる。
「私だからキャンセルしたのかな」
「楽しみにしてくれていなかったのかな」
「もう来てくれないのかな」
でも、キャンセルされた時の落ち込みには、もう少し別の理由もあるように思います。
私たちは、まだ起きていなかったはずのものを、すでに「自分のもの」として生きているからです。
人は「今」だけを生きているわけではない
たとえば、来週旅行に行く予定があるとします。
旅行そのものは、まだ始まっていません。
でも、すでに少し楽しい。
どこに行こう。
何を食べよう。
何を着ていこう。
天気はどうだろう。
旅行の日まで、仕事も少し頑張れそうな気がする。
つまり私たちは、まだ存在していない未来を、現在の中ですでに生きています。
予約も同じです。
「明日の15時から予約が入っている」
それは単なるスケジュールではありません。
その時間にお客様が来る。
施術をする。
会話をする。
お金を受け取る。
一日がこういう流れになる。
そこまで含めて、頭の中では小さな未来ができています。
ところが、キャンセルの連絡が来る。
すると、その未来が一瞬でなくなる。
だから当日キャンセルがつらいのは、「予約が一件なくなったから」だけではありません。
自分の中ではすでに始まっていた未来が、突然なくなるからです。
まだ起きていない出来事なのに、失った感じがする。
これは、おかしなことではありません。

予定は「未来の約束」である
哲学者ハイデガーは、人間を、ただ現在という一瞬だけに閉じ込められた存在として考えませんでした。
人間はつねに「これから」に向かって生きています。
明日の仕事。
来月の旅行。
来年やりたいこと。
いつか住みたい場所。
私たちの現在には、いつも未来が入り込んでいます。
だから予定とは、カレンダーに書かれた文字以上のものなのだと思います。
「この時間には、こういうことが起きるだろう」
という、未来との小さな約束です。
当日キャンセルは、その約束が突然なくなる出来事です。
だから心に穴があく。
15時から17時まで。
カレンダーでは、ただ二時間空いただけです。
でも気持ちの中では、
「あるはずだった二時間」
がなくなっている。
この「あるはずだった」という感覚が、人を意外と落ち込ませます。
キャンセルされたのは「あなた」ではない
そして、もう一つ大切なことがあります。
キャンセルが起きると、私たちは出来事をすぐに自分への評価へ変えてしまうことがあります。
「予約がキャンセルされた」
これは事実です。
でも、
「私に魅力がないからキャンセルされた」
となると、それは解釈です。
もちろん、本当の理由はケースによって違います。
でも、理由がわからない時ほど、人間は空白を想像で埋めます。
しかも不思議なことに、悪い方向へ埋めやすい。
「ほかにいいセラピストを見つけたのかな」
「前回、何か嫌なことをしたかな」
「私に会うほどではないと思われたのかな」
そう考えているうちに、予約一件のキャンセルが、自分という人間への評価のように感じられてきます。
でも、その二つは分けた方がいい。
予約がなくなった。
残念だった。
予定していた収入もなくなった。
楽しみにしていたなら寂しい。
ここまでは現実です。
でも、そこから、
「だから私は選ばれない人間だ」
まで行く必要はありません。
キャンセルされたのは予約です。
あなた自身ではありません。

「失ったお金」だけではないから、モヤモヤする
もちろん、セラピストにとって予約は収入でもあります。
当日キャンセルによって、その日の売上が変わることもあるでしょう。
だから「気にしないで」と簡単に言える話ではありません。
お金の問題は現実です。
ただ、収入の問題だけなら、
「今日は○円減った」
という計算で終わるはずです。
それなのに、いつまでもモヤモヤする。
何度もキャンセルのことを考える。
少し腹が立つ。
寂しい。
自信までなくなる。
そこには、お金以外のものも失われた感覚があるからでしょう。
期待です。
「今日はこうなるはずだった」という期待。
人間は、起きた出来事だけに傷つくのではありません。
起きると思っていたのに、起きなかったことにも傷つきます。
これは仕事だけではありません。
返事が来ると思っていた。
誘ってもらえると思っていた。
合格すると思っていた。
関係が続くと思っていた。
人生には、「起きたこと」だけでなく、「起きなかったこと」による悲しさがあります。
当日キャンセルの小さな落ち込みも、その一つなのかもしれません。

空いた時間を、すぐ「有効活用」しなくてもいい
キャンセルが出ると、
「せっかく時間が空いたんだから、有効に使おう」
と思う人もいるでしょう。
SNSを更新する。
写真を撮る。
勉強する。
掃除する。
次の集客について考える。
もちろん、それもいい。
でも私は、必ずしもすぐに空白を埋めなくてもいいと思います。
楽しみにしていた予定がなくなったら、少しがっかりしていい。
「ああ、残念だったな」
と思っていい。
人間の感情は、スケジュール帳のように簡単には書き換わりません。
15時の予約を消したからといって、15時を楽しみにしていた気持ちまで同時に消えるわけではない。
だから、少しぼんやりする時間があってもいい。
コーヒーを飲む。
外を見る。
スマホを置く。
何もしない。
そして、
「今日はこういう日になったんだな」
と、少しずつ新しい一日に入り直す。
予定が変わった時には、気持ちにも予定変更の時間が必要なのだと思います。
「予定どおりにならなかった日」も人生の一日
私たちは、予定どおりに進んだ日を「うまくいった日」だと思いがちです。
予約が埋まった。
予定していた売上になった。
仕事も順調だった。
確かにうれしい。
でも、人生は予定どおりにならない日の方が多いのかもしれません。
キャンセルになる。
電車が遅れる。
雨が降る。
約束がなくなる。
人の気持ちが変わる。
自分の気持ちだって変わる。
私たちは未来を計画できます。
でも、未来を所有することはできません。
だから予定とは、未来の保証ではありません。
「こうなったらいいな」と未来に置いておく、小さな印のようなものです。
その印が消えることもある。
そして、消えた場所には、予定していなかった時間が現れます。
それをすぐ「チャンスだ」と前向きに考えなくてもいいでしょう。
ただ、
「こういう時間も、自分の人生なんだ」
と思えれば十分です。

まとめ なくなった未来を惜しんでもいい
メンズエステで当日キャンセルされる。
がっかりする。
腹が立つ。
寂しい。
「私に何か問題があったのかな」と考えてしまう。
そんな時、無理に「気にしない」と思わなくてもいいと思います。
あなたが落ち込んでいるのは、弱いからではありません。
その予約が入った時から、あなたの中ではすでに小さな未来が始まっていたからです。
「この時間に、このお客様が来る」
そう思って一日を組み立てていた。
その未来が突然なくなった。
だから残念なのです。
ただし、なくなった未来と一緒に、自分の価値までなくす必要はありません。
キャンセルされたのは、一つの予定です。
あなたではありません。
今日は思っていた一日にならなかった。
それなら、
「思っていた一日ではなかった今日」
を生きればいい。
人生には、実現した未来だけでなく、実現しなかった未来もたくさんあります。
あの時こうなると思っていた。
でも、ならなかった。
それでも私たちは、その先を生きてきました。
予約が一件なくなった午後も同じです。
予定していた未来は消えた。
でも、その瞬間から、別の時間が始まっています。
その時間をどう過ごすかまでは、キャンセルされていません。
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