メンズエステの次に何をする?──「転職」ではなく「自分の物語をつなぐ」という考え方
●質問
メンズエステの仕事を続けることに少し疲れてきました。長く続けたいわけではないし、年齢的にも転職を考えています。でも、次にどんな仕事をすればいいのか分かりません。エステ以外に特別な資格もないし、一般企業に入れる気もしません。これまでの経験をどう生かせばいいのか、何を目指せばいいのかも見えなくて不安です。どんな方向を考えたらいいと思いますか?
●回答
1.「次の仕事」を考える前に、「ここまでの仕事」を見つめ直す
転職という言葉を聞くと、私たちはつい「今より条件の良い仕事」「もう少し楽な仕事」を探そうとします。しかし、いちばん大事なのは“次の場所”を探すことではなく、“いままでの自分”を理解することです。
メンズエステの仕事を通して、あなたはたくさんの人の身体と心に触れてきたはずです。お客さんの多くは、仕事や家庭、人間関係など、どこかに疲れを抱えています。そうした人たちの「沈黙のサイン」を感じ取り、笑顔や声のトーンで空気を変えてきた――その経験は、数字では測れない人間力です。
つまり、あなたがやってきたことは、「癒すことを通じて、人を理解する力を磨いてきた」ということ。それは、どんな業界でも求められる能力です。次の仕事を探すときも、この“人を感じ取る力”をどう生かせるかを軸に考えていくと、道が見えてきます。
2.王道の道──「自分でお店を持つ」という選択
まず、よくある“王道ルート”としては、自分でお店を始めるという道があります。
今の時代、昔のように高額な開業資金を用意しなくても、小規模なサロンやレンタルルームを使って独立することができます。
もちろん、簡単ではありません。
でも、自分が経験してきた「理想のお店」を形にできるという点では、とてもやりがいがあります。
自分が客として見てきた「お店の良い点・悪い点」「働きやすさ・しんどさ」を活かしながら、次世代のセラピストが笑顔で働ける環境をつくることができる。
独立は“逃げ”ではなく、“継承”です。
あなたが感じた葛藤や不条理を、次の誰かのために変えていく。
その発想で独立を考えれば、そこには新しい意味が生まれます。
3.「転職=再出発」ではなく「別の表現手段」
一方、「自分でお店をやるのは現実的じゃない」と思う方も多いでしょう。
それでも、メンズエステの経験は決して無駄にはなりません。
実はこの仕事は、“表現の仕事”でもあるからです。
人の身体に触れる、声で安心を与える、目線で空気をつくる。
これらは接客というより、“演出”や“表現”に近い行為です。
このスキルを、別の形で生かすこともできます。
たとえば――
美容やリラクゼーション業界の講師・スタッフ教育
コミュニケーション研修、カウンセリング職
SNS運用代行や顧客対応など、感情の動きを読む仕事
つまり、あなたの強みは「心を読む力」と「空気をつくる力」です。
それをどのフィールドで使うかだけが違うのです。
4.小さく試す副業からはじめる
もしすぐに転職するのが不安であれば、小さく始めてみましょう。
メルカリやココナラのように、個人のスキルや感性を販売できるプラットフォームが増えています。
たとえば――
ハンドメイドやアロマ雑貨の販売
SNSのアイコンや文章の制作代行
「癒し」をテーマにしたブログや動画の発信
こうした活動はすぐに大金にはならなくても、「自分の世界を表現して、それが人に届く」という小さな成功体験になります。
そして、そうした小さな活動の積み重ねが、将来の転職にもつながっていくのです。
5.「お客さんの人生」からヒントを見つける
メンズエステの仕事の最大の強みは、さまざまな職業・価値観の人と出会えることです。
会社員、経営者、医療従事者、教師、トラック運転手……。
その中にこそ、あなたの“次の人生のヒント”があります。
たとえば、あなたが尊敬していたお客さんが建築業だったとしたら、なぜその人に惹かれたのかを考えてみてください。
「誠実な人だったから」「仕事に誇りを持っていたから」――そうした“魅力の根”を辿っていくと、自分が次に何をやりたいのかが少しずつ見えてきます。
つまり、「誰に惹かれたか」を思い出すことが、転職を考える上での最大の手がかりです。
6.「生活の安定」より「自分の納得感」
もちろん、生活のために働くという現実はあります。
家賃も光熱費も、待ってはくれません。
だからこそ、人はつい「安定」を最優先にしてしまう。
けれども、“安定”だけを基準に仕事を選ぶと、心が少しずつすり減っていきます。
「もう少し頑張れば何とかなる」と思っているうちに、気づけば自分が誰かの人生を生きているような感覚に陥る。
一方で、「納得感」で選んだ仕事は、たとえ収入が少なくても、長く続けるうちに自然と力がつき、結果的に安定していく。
働く理由を「生活」から「意味」にシフトさせる――これが本当の転職です。
7.「次」を焦らないで
今はSNSや求人サイトで“転職成功者”の話があふれています。
でも、あなたがそれを焦って真似する必要はありません。
メンズエステで働いてきた人の多くは、人の痛みを感じ取る感受性を持っています。
その感受性を社会の中でどう活かせるかは、少し時間をかけて探せばいい。
「自分には何もない」と思っている時期ほど、実は“芽が育っている時期”なのです。
焦らず、自分の中に眠っている小さな興味や好奇心を育ててください。
8.最後に──“転職”ではなく、“変化の物語”として
転職とは、仕事を変えることではなく、生き方の物語をつなぐことです。
あなたがこれまで出会ってきた人、見てきた景色、感じてきた孤独や優しさ――それらすべてが、次の仕事で必ず生きます。
だから、メンズエステで働いた自分を否定する必要はありません。
むしろ、それを「人を理解するための学校」だったと考えてみてください。
そこから学んだ“人の心を読む力”は、どんな仕事においても最大の資産です。
人生は、仕事を変えるたびにリセットされるわけではありません。
あなたの歩みは、一本の物語としてつながっています。
その物語をどう書き継ぐか――それこそが、転職という行為の本質なのです。
どうか焦らず、立ち止まって考えてください。
あなたの次の仕事は、「誰かに憧れたその瞬間」に、もう始まっているのです。
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