●質問
貯金が少ないと不安で仕方ありません。だからメンズエステでできるだけ多くシフトに入って、少しでもお金を貯めようと頑張っています。でも、いくら貯金しても不安が消えません。いったいどのくらい貯金すれば安心できるのでしょうか？

●回答
「いくらあれば安心できますか？」という問いは、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。特にメンズエステのセラピストさんのように歩合制や出勤日数で収入が変わる仕事では、貯金額が精神的な安心感に直結しやすい傾向があります。

しかし実際には、貯金額と安心感は必ずしも比例しません。100万円を貯めたら不安がなくなると思っていたのに、いざ100万円が貯まると「やっぱり300万円ないと不安だ」と感じてしまう。300万円を達成すると、今度は「500万円は必要だ」と思う。その繰り返しです。場合によっては1億円の資産を持っていても「まだ足りない」と不安を抱えている人もいます。
ではなぜ、いくら貯金をしても不安が消えないのでしょうか？

貯金と不安の関係性
多くの人は「お金があれば不安がなくなる」と信じています。実際、ある程度の貯金は生活の安心材料になります。しかし、それは「不安を完全に消す」ものではありません。
お金は未来に対する備えですが、未来そのものは誰にも分かりません。だからこそ、いくら貯金しても「もっと必要かも」という感情が生まれるのです。つまり、貯金そのものが不安を作り出す要素にもなり得るのです。

不安は「可能性」から生まれる
哲学者ハイデガーは「不安とは可能性にすぎない」と述べています。たとえば「100万円ないと困るかもしれない」と思う。しかし実際に100万円を持っていても、特に大きな問題が起きなかったことの方が多いでしょう。
過去を振り返ると「500万円ないと不安」と思い必死に働いて貯金したけれど、結局大きな出来事は起こらなかった、という経験はありませんか？それどころか、お金があったからこそ彼氏に貸して返ってこなかったり、高額商品をローンで買わされたりと、逆にトラブルに巻き込まれたことすらあるかもしれません。
つまり私たちの抱く「不安」は、現実ではなく「まだ起こっていない出来事の可能性」なのです。

どれだけ貯めても消えない不安
心理学の研究でも「いくら貯金があれば安心できるか？」という問いに明確な答えは出ていません。100万円ある人は「300万円ほしい」、300万円ある人は「1000万円ないと怖い」と思うのが人間です。
これは人間の脳が「欠乏感」に敏感だからです。食料や住居など生存に関わる不安を感じやすい性質を持っているため、現代の日本のように十分に満たされている状況でも「もっと必要だ」と考えてしまうのです。

本当の問題は「自己肯定感」
実は「貯金がないと不安」「いくらあっても不安」という状態は、自己肯定感の低さとも関係しています。自己肯定感が低いと「自分は何かを失ったら立ち直れない」と感じやすく、常に備えを求めます。
逆に自己肯定感が高い人は、貯金が少なくても「何とかなる」と考えられるため、不安に支配されにくいのです。つまり、必要なのは「貯金額の増加」よりも「不安とどう向き合うか」という心の習慣なのです。

不安を和らげる具体的な方法
では、どうすれば「貯金がないと不安」という状態から抜け出せるのでしょうか？

（1）目標を「額」ではなく「行動」に置く
「100万円貯める」ではなく、「毎月2万円貯める」と行動ベースにする。行動は自分でコントロールできるので安心感が増します。

（2）未来ではなく「今」に集中する
不安は未来にしか存在しません。今この瞬間、自分ができることに集中することで、不安が和らぎます。

（3）自己肯定感を高める習慣を持つ
小さな成功を認める、感謝の言葉を口にする、体調管理をする。こうした積み重ねが「私は大丈夫」という感覚を育てます。

（4）支出を整える
収入を増やすだけでなく、支出を管理することも不安軽減につながります。「このくらいあれば暮らせる」という感覚が持てると安心感は大きく変わります。

メンズエステで働く人に伝えたいこと
メンズエステの仕事はシフト次第で収入が変わるため、不安を感じやすい仕事でもあります。そのため「とにかく稼いで貯金しなきゃ」と焦る気持ちは自然です。

しかし本当に大切なのは「いくら貯金があるか」ではなく、「どのように働き、どんな生活を送りたいか」です。シフトを増やして疲れ果ててしまったら、せっかくのお金も心を癒してはくれません。

「私はこういうペースで働きたい」「これくらいの生活費で十分」と基準を持つことが、貯金額よりも安心をもたらしてくれるのです。

まとめ
「いくら貯金したら不安は消えますか？」という問いの答えは、残念ながら「金額では解決できない」というものです。100万円あっても、300万円あっても、1億円あっても、人は「まだ不安だ」と思ってしまうのです。

本当の安心は、数字ではなく「不安との向き合い方」から生まれます。未来は無限の可能性であり、起きるかどうかも分からない出来事に怯える必要はありません。今できることに集中し、自分を認め、生活を整えること。

そうすれば、たとえ貯金が少なくても「私は大丈夫」と思えるようになります。
貯金は安心の一部でしかありません。大切なのは、不安にとらわれずに自分らしい生き方を選ぶことです。応援しています！